10分で動画が量産できた理由。AIと相性がいい仕事の見分け方
図形が動き、数式が浮かび上がり、ナレーションと音楽まで付いた解説動画が、10分ほどで出来上がる。そんな話を見かけました。
使われていたのは、Manimという、図形や数式の動きをすべてコードで表現する専用の仕組みです。もともとは3Blue1Brownという数学解説チャンネルの制作者が自分の動画のために作ったもので、今はオープンソースとして誰でも使えるようになっています。「こういう動画を作って」と頼むだけで、コードが書かれ、ナレーションも音楽も生成され、音量まで整えられた状態で仕上がってきたそうです。
これだけ聞くと動画制作の話に見えますが、経営者として注目すべきは、もう一段深いところにあります。
なぜ10分で終わったのか。コードで書けるものだったから
この速さの理由は、AIが優秀だからというより、対象そのものの性質にあります。図形の位置も、動くタイミングも、数式の変化も、すべて最初からコードという明確なルールで表現できるものでした。だからAIは、正解が定まった作業として、迷わず一気に仕上げられたわけです。
逆に言えば、ルール化しにくいもの——たとえば「なんとなく良い雰囲気」「その場の空気を読んだ判断」のような仕事は、同じようにはいきません。AIとの相性は、AIの性能そのものより、対象の仕事が明確なルールに落とし込めるかどうかで、大きく変わります。
「量産できる」と「使える」は、別の話
ここで、もうひとつ押さえておきたい注意点があります。ルール化できて量産できることと、その成果物が実際に成果につながることは、まったく別の話だということです。
動画を10本作れるようになっても、それを見てもらう場所や、見た人がどう動くかまでは、コードだけでは解決しません。作る工程が速くなるほど、実は「作った後どう活かすか」という、ルール化しにくい部分の重要度が相対的に上がっていきます。量産の速さに気を取られて、活かす設計を後回しにすると、せっかくの速さが成果に結びつかないまま終わってしまいます。
自社の仕事を、コード化できる部分とできない部分に分けてみる
ここから経営者が取れる行動はシンプルです。自社の業務を、明確な手順やルールに落とし込める部分と、担当者の勘や経験に頼っている部分とに、一度分けてみることです。
前者は、AIに任せることで一気に速くなる余地があります。後者は、今すぐAIに丸ごと渡すのではなく、判断の基準を言語化するところから始める必要があります。この見極めを先にやっておくと、どこにAIを入れれば効果が大きいかが、驚くほどはっきり見えてきます。
まとめ
10分で動画が量産できたのは、AIが賢いからというより、対象がコードで表現できる仕事だったからです。AIとの相性は、仕事がどれだけルール化されているかで決まります。そして、量産できることと、それが成果につながることは別問題です。自社の仕事のうち、どこがルール化できて、どこができないかを見極めることが、AI活用の効果を左右する最初の一歩になります。
今回話してきた、AIと相性がいい仕事を見極められずに任せてしまっていることで困っていませんか?もしそうなら、任せている仕事がそもそもルール化できるものかどうか、一度見直してみてください。AI導入・業務自動化支援では、その見極めから一緒にやります。まずは60分の無料個別相談へ。