資料を作る部署から、意思決定を設計する部署へ
あるデザイン会社の経営企画部門で、Claude Codeを使った大がかりな業務の見直しが行われました。注目すべきは、資料作成が速くなったことではありません。
これまでの経営企画の仕事
これまでの経営企画は、各部門から数字を集め、表計算ソフトで加工し、予定と実績のズレを分析し、資料にまとめて経営会議で説明する。多くの時間が、この一連の作業に費やされてきました。情報を集めて整えることそのものが、仕事の中心だったわけです。
何が変わったのか
この会社では、100以上の業務を細かく分解し、その多くを実装しました。作業時間は大幅に削減されたそうですが、本当の変化はそこではありません。
担当者の頭の中にしかなかった判断基準、確認の手順、過去の事例、例外への対処法。これらを、AIが扱える形に言語化し、会社の資産として残したことが、本質的な変化でした。人に属していた経営の知識を、会社全体で再利用できる資産に変えた、ということです。
属人経営から、再現できる経営システムへ
「あの人がいなければ、決算も経営管理も回らない」という状態は、多くの会社が抱える弱点です。今回の取り組みは、この属人的な状態から、データとルールとAIと人間が組み合わさって回る、再現可能な仕組みへの移行を意味しています。
観測から判断までのサイクルが、短くなる
さらに大きな変化があります。AIによって、「何が起きたか」を確認するだけでなく、「なぜ起きたのか」「このままいくと何が起きるのか」「今、何を変えるべきか」まで、継続的に分析できるようになります。経営企画の仕事は、結果を報告する仕事から、未来を見立てて意思決定を支える仕事へと、役割そのものが変わっていきます。
人間に残る仕事は、より純度を増していく
売上がいくらか、という問いにはAIが答えられます。しかし、「なぜ成長しているのに評価が上がらないのか」「今の利益と将来の競争力、どちらを優先すべきか」といった問いは、人が決めるべき経営の問いです。AIが作業を引き受けるほど、人間の仕事は、何を見るべきか、何を問うべきか、どの選択肢を選ぶべきかを決める仕事に、純度を増していきます。
経営者にとっての意味
この事例の本質は、「Claude Codeで経営企画を効率化した」ことではありません。会社の中にあるデータ・業務のやり方・暗黙知・判断基準を、AIが扱える形に変換し、人を作業から解放して、問いと対話と意思決定に集中させる。これは、経営企画に限らず、どの部門にも当てはまる考え方です。自社のどの部署が、今もっとも「情報を加工する仕事」に時間を使いすぎているかを、一度洗い出してみる価値があります。
まとめ
AIによる業務の見直しで本当に価値があるのは、時間の削減そのものではなく、人に属していた判断基準や暗黙知を、会社の資産として残せることです。これによって、部署の役割そのものが、作業をこなす部署から、意思決定を支える部署へと進化していきます。人間の仕事は、作業から、問いと判断へと移っていきます。
今回話してきた、資料作りや数字の集計に時間を取られ、本来考えるべき判断に時間を割けていないことで困っていませんか?もしそうなら、その業務を一度洗い出すところから始めてみてください。AI導入・業務自動化支援では、その仕組みづくりから一緒にやります。まずは60分の無料個別相談へ。